TOEICテスト中学英文法で600点! をレビュー!
ご覧いただき、ありがとうございます。
TOEIC対策のリノキア英語スクールです。
今回ご紹介するのは『TOEICテスト中学英文法で600点!』です。
実際に当スクールの生徒さんに使ってもらった感想や、僕自身がレッスンでの使用教材として採用したうえでの感想を踏まえて紹介していきますので、テキスト選びの参考になれば嬉しいです。
テキストの対象レベル
テキストの裏表紙にはこのように書いてあります。
・対象レベル:初級から
(英検3級 / TOEIC TEST350程度)
この記載だとかなりの初級者でも使えるということになっています。
英検3級というと、中学卒業レベルですね。TOEIC350点というと、分からないことがたくさんある状態でTOEICを解いている感じです。
果たして、そのくらいのレベルの学習者が使えるようになっているのか?
結論から言うと、ここには疑問がありました。つまり、TOEIC350点ほどだと、このテキストを1人でやっていくのは難しいということです。
その理由は後述するとして、まずは『TOEICテスト中学英文法で600点!』の良いところから見ていきましょう。きちんと使えばスコアアップにつながるテキストということには間違いありません。
テキストの良いところ
1.文法だけでなく基本単語も覚えられる
まず、テキストの構成はこのようになっています。
- 1 名詞と代名詞
- 2 動詞
- 3 形容詞と副詞
- 4 さまざまな文
- 5 準動詞
- 6 比較
- 7 前置詞と接続詞
- 8 関係代名詞
- 9 Part7に挑戦!
- 付録 リーディング・セクション ミニ模擬テスト
各文法セクションの冒頭には、下の写真にあるとおり、そのセクションで出てくるTOEICの重要単語がリストアップされています。
1セクション16語と決まっており、それが8章の関係代名詞まであるので全部で128語が学べます。この128語はどれもTOEIC必須なので、知らないものがあれば必ず覚えておかないといけません。
2.品詞問題の攻略法がわかる
TOEICの文法問題攻略のカギとなるのが品詞問題です。
このテキストでは効率の良い解き方を教えてくれますので、1周だけやって終わらせるのではなく、何度も繰り返して完全に身につけておきたいところです。
事実、かなり実践的で、品詞問題をきちんと正解できる方のほとんどが同じように解いているのではないかと思います。
3章の「形容詞と副詞」のところは絶対にやっておきたいですね。
3.パート7の章がとても使える
文法テキストなのに、パート7の章が非常に素晴らしいです。
まず良いなと思ったのが、リーディングを全問解ききるのを前提にしていないことでした。
実際のところ、600点を目指す人のほとんどは75分という時間内にリーディングの100問を解ききれません。少なくても10問、多いと35問くらいは塗り絵(時間が足りずに解けなかった問題のマークを塗りつぶすだけになること)になることでしょう。
それを踏まえた上でのアドバイスが有益です。
テキストの180、181ページに載っている「解きやすい順 質問パターン」と「おススメ パッセージを解く順」は600点を目指す人なら絶対に知っておいたほうがいいことです。
600点を目指す人がリーディングを解くときに大事なことは「解けそうな問題に絞る」ということなのですが、具体的にどうすればいいのかが分かりやすくまとまっています。
気になった点
前の方で「TOEIC350点ほどだと、このテキストを1人でやっていくのは難しい」と書きましたが、その理由をここで書いていきます。
1.文法の解説があっさりしている
もっとも気になった点でした。TOEIC350点だと、文法については知らないことだらけです。そのレベル帯の学習者だと、このテキストの解説を理解するのは難しいかもしれません。
解説というよりは用例集、といったほうが正しいかもしれません。
用例を見るだけで文法が理解できるかというと、そうではないですよね。ましてや初心者ですから、無理があると感じました。
この1冊で完結するわけではないので、場合によっては教えてもらいながら進めたほうが効率的です。1人でやろうとすると、挫折する可能性が高そう。
2.実践問題の英文レベルが高め
文法セクションの最後にはパート5,6形式の実践問題が10問ずつあります。
これが本番のTOEICで言うと普通~やや難しいあたりのレベルなので、TOEIC350~450点くらいで解くと、けっこう読めないと思います。
知らない単語もバンバン出てきますので、そういったものを自分で調べながら、文構造や意味を把握するうえでの疑問点も自分で解決していける根気がないと大変です。
3.実践問題にワードリストが無い
初心者向けのテキストなので、知らないであろう単語はワードリストとして載せてほしかったですね。
前述のとおり、TOEIC350~450点(あるいは500点を超えていても)だと、実践問題には知らない単語が頻出します。
もちろん知らない単語は覚えていかないとスコアアップしませんから意味調べは欠かせないのですが、そこの労をTOEIC初心者に任せてしまうのは酷でしょう。
いずれ自分で調べる習慣はつけないといけませんが、TOEIC350点くらいだと、そもそも英語をどう勉強していいかも分からない状態です。
あっさりした文法解説にも言えることですが、もうすこし英語初心者に寄り添った内容だと使いやすいものになっただろうと思います。
このテキストをどう使うか
・分からないことは調べる覚悟を持つ
これまでのレビューでお気づきかもしれませんが、TOEIC初心者にとってはハードルが高めなテキストです。
疑問点が出たら、面倒くさがらずに調べていく気持ちが欠かせません。
その自信がなければ、人から教えてもらう用のテキストにしてしまうか、別のものを選んだほうがいいでしょう。
・当然だけど、何度も繰り返す
どんなテキストにも言えることですが、繰り返すことで初めて身につきます。
初心者にはレベルが高めのテキストですが、書いてあることはすべてTOEICに出ることです。タイトルにもあるとおり、このテキストの内容が分かっていれば、600点レベルの文法力としては十分です。
根気よく続けていきましょう。
・単語集や模試も併用する
『TOEICテスト中学英文法で600点!』というタイトルですが、この1冊で600点が取れるとは考えないでください。
TOEIC600点のためにはリスニング力も必要ですし、単語だって覚えなければいけませんし、問題をたくさん解いて練習もしなければいけません。
文法は、あくまで600点に必要な要素の1つです。
バランスよく勉強していってください。
まとめ
オススメ度:★★★☆☆(まあまあ!)
TOEIC初心者にとっては難しい内容です。
しかしながら、知らないことが出てきたときに自分で調べることができれば、きっとあなたのスコアアップに貢献してくれるでしょう。
「自分で調べる」という技術は、どのレベルになっても必要なことです。
英語学習だけでなく、仕事でも日常生活でも大切ですよね。
いい習慣を身につけるためと思えば、敢えてハードルが高いテキストに挑戦してみるのも良いかもしれませんね。
ただし、個人的にはTOEIC500点くらいが対象じゃないかと思っています!
もしTOEIC350点~450点くらいで、このテキストが気になっている方は、質問できる人が近くにいたほうが安心ですので、ぜひそういう人がいれば頼ってみてください。
それでは最後までご覧いただき、ありがとうございました。
この記事がテキスト選びの参考になれば嬉しいです。