パート1,2はTOEICの基本
ご覧いただき、ありがとうございます。TOEIC対策のリノキア英語スクールです。
今回はTOEICパート1,2の勉強法について書いていきます。
パート1,2はスコアを伸ばしやすい特徴があるため、TOEIC対策の基本として位置づけされています。
実際のところ、多くの人がリスニングの勉強をパート1,2から始めていきます。
問題文が短いので取り組みやすく、TOEICに限らずともリスニングの教材としては使い勝手が良いです。
どんな勉強をしてパート1,2のスコアアップにつなげていくのかを紹介していこうと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
パート1は単語と文法がポイント
まずは目標スコアごとに必要とされるパート1の正解数を挙げていきます。あくまで目安となりますが、実際にそのスコアを達成している方々の正解数を参考としていますので、一定の指標にはなるかと思います。
・500点-4問正解以上
・600点-5問正解以上
・700点-全問正解
パート1は、500点目標の人が何も対策していない状態で解いても、2~3問は正解できるパートです。
そこに対策を上乗せすることによって、目標のスコアへと到達できるようになります。
まずは解いてみる
リスニングですから、聞けるようになることが勉強の目標になります。
TOEICの『公式問題集』を用意して(なるべく新しいもの)、実際にパート1を聞くところから始めていきましょう。
なるべく新しい『公式問題集』がオススメなのは、公開テストに登場するナレーターが同じ人であることが多いからです。
TOEICのナレーターというのは、1~2年単位で少しずつ変化があります。
現行TOEICの最初の『公式問題集』が発売されたのが2016年ですが、直近の2020年に発売された『公式問題集』と比べると、国籍によってナレーターがすこし違っています(※TOEICには4か国-アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアーのナレーターがそれぞれ1~2名いるのです)。
そういうわけで、現在の公開テストとナレーターが同じである可能性が高い、なるべく新しい『公式問題集』を使うことをオススメしています。
問題集を手に入れたら、まずは聞いて解いてみましょう。そこから何が必要かを考えて、勉強内容を決定していくのです。
単語と文法がポイント
どんなテストにも言えることですが、「傾向」というものが存在します。
TOEICにも傾向はあり、さらに細かく見ればパート1の傾向というものすらあります。
パート1の傾向として把握しやすいのが「単語と文法」です。
まず単語のほうですが、単語の傾向というのは生き物のようで、時間の経過とともに変化していきます。
ですから、出版年が古いテキストに載っている「パート1頻出単語」が必ずしも今のTOEICに出てくるとは限りません。
もっとも信頼できるのは、2年以内に出版されている『公式問題集』です。問題に出てきている単語をきちんと押さえておけば、公開テストでも同じ単語を聞くことがあるでしょう。
一方、文法の傾向はずっと固定されたままです。
絶対に押さえておきたいのは現在進行形と受動態で、この2つの文法は毎回ほとんど必ず出てきます。
とくにパート1の英文を理解するうえで必須なのが「受動態」です。
TOEICでは、受動態のちょっとした応用版である「進行形の受動態」と「完了形の受動態」が多用されます。
下の記事でもまとめていますので、参考にしていただければと思います。
頻出単語の最新傾向をつかみ、必須文法を押さえておくことがパート1対策の第一歩です。
リスニング力を上げる
単語を文法がわかれば、「読んで理解できる」状態になります。
ここまで到達したら、あとは「聞いて理解できる」状態に向けて勉強していきましょう。
リスニングの勉強法にはいろいろありますが、パート1のように短い英文のときは、「ディクテーション」をしていくのが最も良いと考えています。
また、ディクテーションができるようになったら、さらにワンランク上の「シャドーイング」という勉強法にも挑戦してほしいです。
ディクテーションとシャドーイングについての詳細は、下の記事をご覧ください。
この2つの勉強法は、TOEIC500点~990点までずっと使える勉強法ですので、早い段階で取り入れてしまったほうが継続的なスコアアップにつながります。
パート1のような短い英文は、ディクテーションとシャドーイングの入門には最適です。
耳で聞き、手を動かし、声に出し、あらゆる感覚を使いながら、英語を馴染ませていってください。
パート2から本当の勉強が始まる
僕はTOEIC公開テストを毎回受験していますが、最近のパート2は難しいと感じることが多いです。
それを踏まえたうえで、目標スコアごとに必要とされる正解数の目安を挙げていきます。
・500点-15問正解以上
・600点-18問正解以上
・700点-21問正解以上
パート2は、500点目標の人が何も対策していない状態で解くと、8~10問正解くらいになると思います。
勉強法はパート1と同じようにディクテーション&シャドーイングが良いです。
パート2は、パート1以上にリスニング力が重要になりますから、実力を底上げするような学習が欠かせません。
また、パート1とは違い、頻出単語が決まっていないので、小手先の暗記が通用しないところもあります。
いずれはパート3,4でのスコアアップにもつながりますから、「聞けるようになること」をさらに強く意識して勉強していってください。
パート2は難化傾向にある
先ほども書きましたが、最近のパート2は難しい問題が増えました。
パート2の難しい問題とは、どんなものなのか。
それは一言でいえば、「答えがない」と思ってしまうような問題です。
TOEICのパート2には、大きく分けて2種類のタイプがあります。
「直球タイプ」と「変化球タイプ」です。
「直球タイプ」は質問と回答がはっきりとリンクしており、「変化球タイプ」は質問と回答の関連性をわざとぼかしています。
「直球タイプ」の例
Q. When is the next meeting?
(A) Last week.
(B) I’ll meet Ms. Sato at my office.
(C) This Thursday.
「変化球タイプ」の例
Q. When is the next meeting?
(A) Why don’t you ask Susan?
(B) On the second floor.
(C) I’ll read it next month.
それぞれ、どれが答えか分かりましたか?
「直球タイプ」のほうは(C)が正解でした。次の会議はいつ?と訊かれているのに対し、今週の木曜日とダイレクトに答えていますね。
「変化球タイプ」のほうは(A)が正解でした。(A)は「スーザンに訊いてみれば?」という意味です。つまり自分は知らないからSusanに訊いてほしいと答えているわけですね。
このように「変化球タイプ」は言葉の背景まで読み取らないと自信をもって選べません。それゆえ「答えがない」と思ってしまうことがあるのですね。
パート2でスコアを伸ばすには、「直球タイプ」を落とさないようにすることと、「変化球タイプ」をうまく対処できるようになることが必要です。
消去法が使えるようになろう
いずれのタイプにおいても、パート2では消去法が非常に有効です。
パート2はTOEICで唯一3択の問題なので、1つ消去できるだけでも50%の確率に持ち込めるのです。
最悪、答えがわからなくても、消去して残ったものを選べば正解できる可能性があります。
あくまでこれは傾向なので常に使えるわけではありませんが、TOEICのパート2では、質問文に登場した単語に似ているものが入っている選択肢はハズレであることが多いです。
先ほどの「直球タイプ」の例で言うと、(B)の選択肢ですね。
質問文にmeetingがあり、(B)にはmeetがあります。そして(B)はハズレの選択肢でした。
こうした傾向も、消去する上でのヒントになりますので、使えるかもしれません。
ただし、そうした小手先のテクニックに頼るのは禁物です。
内容ではなく単語だけ意識して聞こうとする悪癖がつきますので、どうしようもないときだけ使うようにしましょう。
日々の学習で伸ばさなきゃいけないのはリスニング力です。
それが身について初めて消去法のようなテクニックが自然と使えるようになります。
テクニックに頼ろうとするうちは未熟。まずはリスニング力を鍛えるべし!
消去法が使えるのは、リスニング力が高い証拠です。
疑問詞をしっかり聞き取る
パート2は全部で25問ありますが、そのうちの8~12問は、質問文にWhatやWhenなどの疑問詞を含んでいます。
つまり3問に1問は、疑問詞を含んだ問題なのです。
疑問詞を聞き取ることは、パート2の基本とも言えます。
しかし、意外にも聞き逃してしまう人が多いのも事実です。
理由はいくつかありますが、生徒さんから聞いた感じでもっとも多いのが「集中力」です。問題が読まれるというのに、つい別のことを考えていたりするのです。
前の問題で迷った結果、次の問題にまで響いてしまうという理由もよくあります。パート2は切り替えが大事ですから、分からなかったものはとにかくマークして次に行きましょう。
ちゃんと聞いていたのに分からなかったケースもあります。これはWhenとWhereでよく起こります。
とくにイギリス人やオーストラリア人のナレーターだと、WhenとWhereの発音がけっこう曖昧になることが多いです。
ただしこれは、きちんとしたリスニング力があれば解決できることですので、ナレーターのせいにしてはいけません。
たとえWhenとWhereが曖昧だとしても、それを聞き分けられるようにするのが勉強です。
ほかにもWhy don’t you~や、How aboutのように、フレーズで1つの疑問詞になっているものもあります。問題集の解答冊子には、きちんと意味が載せてありますので、そちらも目を通しておきましょう。
聞き取れないのをナレーターのせいにはできない! 自分のリスニング力をひたすら伸ばそう!
テスト本番までは余裕を見て
パート1,2での解き方・勉強法について紹介しました。
魔法をかけたみたいに問題が解けるようになるわけではありません。
もしそれを期待してアクセスいただいたのであれば、申し訳ないです。
僕自身、「日々の積み重ね+反省と修正」をくりかえすことで英語力を伸ばしてきましたし、TOEICでスコアアップを達成した生徒さんを見ても、やはり同じことをやっておられます。
時間をかけることが大事な場合だってあります。
それゆえ、テスト本番までは余裕のあるスケジュールを組んでほしいです。
「〇週間でスコアアップ」のような謳い文句は確かに魅力的ですが、誰にでも可能なわけではありません。
指導経験からしても、そのような例は少数であり、90%以上の人は2~3ヵ月くらいコツコツと頑張ってスコアを伸ばしています。
最初から時間がかかると見込んで勉強したほうが、焦りがない分、1つ1つの完成度が高くなりますし、そうして身につけたことほど長く自分の中に残ります。
時間をかけて勉強するのも、意外と楽しいですよ。
ぜひ、日々の小さな進歩を大切にしながら英語学習に取り組んでみてください。
それでは最後までご覧いただき、ありがとうございました。
みなさんがTOEICで目標スコアを達成されることを願っております。