even / still / yet を理解しよう

ご覧いただき、ありがとうございます。TOEIC対策のリノキア英語スクールです。

今回は英文法というよりも語法にフィーチャーした記事です。

扱いますのは、【even, still, yet】の3単語です。

それぞれよく目にするし、意味も何となく分かっているけれども、使い方までちゃんと知っている学習者は少ないという印象です。

TOEICのPart5,6問題でも出題される単語ですので、語法をきちんと理解しておきたいところですね。

記事の終盤にはPart5形式の問題もつけてありますので、そこで理解度をチェックしてみてください。

もちろん最初に練習問題を解いてしまっても大丈夫ですので、使いやすいように利用していただければと思います。

それではさっそく始めていきましょう。

1.evenについて

最初はevenからです。

TOEICで重要となるevenのポイントを確認してみましょう。

even のポイント

1.「~でさえ」という意味の副詞-強調・驚き・意外性を表す

2.名詞を修飾できる特殊な副詞

3.even if、even thoughといった接続詞のパーツになる

4.比較級を強調する

まず最重要なのが、「evenは副詞」だということです。

形容詞の意味もありますが、TOEIC600点のためにはそこまで重要ではないので、「evenは副詞」で覚えてしまいましょう。

1-1.「~でさえ」と強調するための副詞even

例文から見ていきましょう。

例文

1.He didn’t even know the deadline.
(彼は締切りを知ってさえいなかった)→ knowを強調

2.Even before the interview began, Mr. Park felt that the applicant would be qualified.
(面接が始まる前であるのに、Park氏はその応募者が適任であるだろうと感じました)→ beforeを強調

TOEICにおけるevenは、「動詞を強調」するものとして出ることが多いです。

また2つ目の例文であるように、beforeやafterを強調することもあります。
before・afterは接続詞だけでなく前置詞の意味もありますが、evenはどちらの品詞であっても強調できます。

接続詞を強調するevenは、1-3でも扱います。

1-2.名詞を修飾できる特殊な副詞

ふつう、副詞は名詞を修飾することができません。

しかしevenは、副詞でありながら名詞を強調することができる特殊な副詞なのです。

例文をチェックしてみましょう。

例文

Even an amateur can understand it.
素人ですら、それを理解できます)→ amateurを強調しています。

名詞の直前にくっついているため、修飾関係は分かりやすいと思います。

名詞を修飾していますが、evenはあくまで「副詞」ですので、これは特殊な例なのです。

1-3.接続詞を強調する

TOEICでは、even thoughやeven ifといった接続詞がよく出ます。

evenが使われる代表例ですので、例文でチェックしていきましょう。

例文

1.Even if I work 12 hours a day, I won’t be able to finish the report by the end of this month.
たとえ1日12時間働いたとしても、今月末までにそのレポートを終わらせることはできないと思います)

2.Even though Ms. Sato is young, she knows a lot about accounting.
(Satoさんは若いにもかからわず、会計についてたくさんのことを知っています)

even ifは「たとえ~でも」という意味になります。
TOEIC600点のためには絶対に押さえておきたい接続詞です。

even thoughは「~にもかかわらず」という意味です。
though / althoughと同じ意味になりますので、セットで覚えてしまいましょう。

even if / even thoughは、evenが含まれる代表的な接続詞です。
evenが、if/ thoughという接続詞を強調することが意味ができています。
1-1の例文でも紹介しましたが、それ以外の接続詞も強調することができますので、例文でチェックしてみましょう。

接続詞を強調する even の例

1.Even before the interview began, Mr. Park felt that the applicant would be qualified.
(面接が始まる前であるのに、Park氏はその応募者が適任であるだろうと感じました)

2.Mr. Tapia always seems calm even when he is quite busy.
(とても忙しい時でさえ、Tapia氏は常に落ち着いているように見えます)

基本的には「~でさえ」という意味で強調することになりますので、あえて訳し方まで暗記しなくても大丈夫です。

1-4.比較級を強調する

出題頻度からするとTOEIC700点レベルの知識になるのですが、大事なevenの語法なので、ここで紹介します。

比較級を強調するevenも、例文でチェックしていきましょう。

比較級を強調する even

1.My performance is even better than Mike’s.
(私の業績は、マイクの業績よりもずっと良いです)

2.I woke up this morning even earlier than usual.
(今朝、私は普段よりもずっと早く起きました)

比較級の前にevenを置くことで「ずっと~だ」という強調された意味が加わります。

比較級・最上級の強調表現については、以下の記事をご参照ください。

ここまでがTOEICで重要となるevenです。

2.stillについて

続いてはstillです。

TOEICで重要となるポイントを確認しましょう。

still のポイント

1.「今も・まだ」という意味の副詞

2.「それでもなお」という意味の副詞

3.比較級を強調する

最重要なのは、stillは「副詞」だということです。

形容詞の意味もごくまれに出たりしますが、問題として出題される可能性が低いので、TOEIC600点のためには必要ありません。

2-1.「今も・まだ」という意味の副詞still

もっともTOEICによく出るstillです。
これはかならず押さえておきたいところになります。

例文でチェックしていきましょう。

例文

1.He still lives in Tokyo.
(彼は今も東京に住んでいる)

2.They are still trying to find the cause of the problem.
(彼らはまだ問題の原因を探している)

TOEICでは、2番の例文がとりわけ重要です。

この文のように「現在進行形」の文中で使われることが多いのがstillです。
大きなヒントになりますので、ぜひ覚えておいてください。

ただ、1番の例文のように現在進行形でなくともstillは使われますから、意味的に合うかどうかで最後は見極めましょう。

2-2.「それでもなお」という意味のstill

こちらはすこし上級編のstillです。

TOEIC700点以上を目指すのであれば知っておきたいことになります。
TOEIC600点が目標の方も、知っておいて損はないので、例文だけでもご覧ください。

例文

1.Even though he didn’t have much time, he still offered to help.
(それほど時間がなかったにもかかわらず、それでもなお彼は助けてくれようとしました)

2.It was raining. Still, we went for a walk.
(雨が降っていました。それでもなお、私たちは散歩に出かけました)

2番の例文で使われているのは「接続副詞」のstillです。

あくまで副詞であるため、接続詞のように文と文はつなげません。

注意

(〇)It was raining. Still, we went for a walk.

※ ほかにも、however, yet, neverthelessが同じ使い方をします。文と文とつないでしまわないように注意です。

(×)It was raining still we went for a walk.

※ It was rainingという文と、we went for a walkという文をつないでしまっている(2文あるのにピリオドが1つしかない)ので、誤った「接続副詞」の使い方になります。なお、カンマの有無は関係ないので気にしなくて大丈夫です。

ご自分で使用する際にも、stillは「副詞」であることを忘れないようにしてください。

2-3.比較級を強調する

TOEICでは出題頻度が低めな内容になりますが、出る可能性はあるので触れておきます。

先ほど扱ったeven同様に、stillも比較級を強調するのに使うことができます。

比較級を強める still

1.Because he was tired, he made still more mistakes than usual.
(彼は疲れていたので、普段よりずっと多くのミスをしました)

2.My performance is still better than Mike’s.
(私の業績は、マイクの業績よりもずっと良いです)

ここはevenと同じですので、セットで覚えてしまうのが良いと思います。

ここまでがTOEICで重要となるstillの用法となります。

3.yetについて

最後はyetです。

まずはTOEICで重要となるポイントを整理していきましょう。

yetのポイント

1.現在完了形で使われるyet(副詞)

2.「しかしながら」という意味の副詞・接続詞

3.最上級を強調する(副詞)

最重要ポイントは、「yetは副詞」だという点です。

本当は接続詞の意味もあるのですが、TOEIC600点のためには不要な点を削ぎ落してシンプルに覚えていきましょう。

接続詞のyetは、ごくまれにTOEICでも見かけることがあるので、TOEIC700点以上を目指していく方は知っておいて損はないでしょう。

3-1.現在完了形で使われるyet

TOEICに出てくるyetで、もっとも大事なポイントです。

TOEIC600点のためには絶対に押さえておきましょう。

現在完了での yet

1.Have you finished your report yet?
もうレポートを終わらせましたか)

2.I haven’t finished my report yet.
(私はまだレポートを終わらせていません)

この2パターンが最重要です。

否定文・疑問文によって意味が変化するので、混同しないようにしましょう。

現在完了形については以下の記事をご参照ください。

必ずTOEICで使われる文法です。

3-2.「しかしながら」という意味の副詞

先ほど扱った「接続副詞」のstillとほとんど同じ意味なので、同義語として覚えてしまって大丈夫です。ただ、yetには「接続詞」の意味もあるので、そこだけ注意してください。

このyetは、頻度は低いほうになりますので、TOEIC700点以上もゆくゆくは目指していきたいという方は、ぜひ覚えてしまってください。

yet「しかしながら」の例文

1.He promised to help me. Yet, he didn’t come to the office.
(彼は助けてくれると約束しました。しかしながら、彼はオフィスに来ませんでした)

2.He promised to help me, yet he didn’t come to the office.
(彼は助けてくれると約束しましたが、オフィスに来ませんでした)

1番は「接続副詞のyet」で、2番は「接続詞のyet」です。

どちらも意味は変わりません。でも「接続副詞」のほうがテストでは目にするという印象がありますが、いずれにしても頻度は低いです。

3-3.最上級を強調するyet

最上級を強調するyetは、まれに公開テストに登場します。

日本の公式問題集にも出ているので、できれば覚えておきたいところです。

最上級を強める yet

He is the best president yet in Japan.
(彼は日本において今までで最高の社長だ)

この文法では、yetの置かれる場所が重要です。

「最上級+yet」の語順になりますので、これを知っておくと問題が解きやすくなります。

ただ、頻度としては低めなので、TOEIC700点以上を目指す方に覚えてもらいたい文法です。

4.TOEIC Part5形式 練習問題

最後に練習問題を解いて、理解度をチェックしてみましょう。

問題(全5問)

No.1

—— after Ms. Barton retired from Chester Bank, she kept in touch with her former clients.
(A) Such
(B) Never
(C) Even
(D) Almost

No.2

Although Toyoda Motors has found a cheaper supplier of engines, the production costs are —— too high.
(A) enough
(B) still
(C) despite
(D) upon

No.3

The new accounting software is designed so simple that —— an inexperienced employee can use it.
(A) even
(B) yet
(C) however
(D) very

No.4

Jack Johnson’s new book, Fact Versus Fiction, is said to be his best —— and will gain new readers worldwide.
(A) even
(B) still
(C) just
(D) yet

No.5

The manager told Ms. Bernal that she should do her best —— if the task seemed difficult.
(A) so
(B) even
(C) just
(D) nor

解答と解説

No.1

—— after Ms. Barton retired from Chester Bank, she kept in touch with her former clients.
(A) Such
(B) Never
(C) Even
(D) Almost

解答:(C)
空所後に接続詞afterがあるので、これを修飾できるものが必要です。
選択肢のうち、接続詞を修飾できるのは(C)even「~でさえ」なので、これが正解です。

(訳)Barton氏はChester Bankを退職した後でさえも、かつての顧客と連絡を取り続けました。

語句:retire from~:~を退職する / keep in touch with~:~と連絡を取り続ける / former:以前の

No.2

Although Toyoda Motors has found a cheaper supplier of engines, the production costs are —— too high.
(A) enough
(B) still
(C) despite
(D) upon

解答:(B)
空所があってもなくても文が成立しているため、ここには副詞が入ると判断できます。
選択肢のうち副詞になれるのは(A)と(B)ですが、意味的に合うのは(B)still「今も・いまだに」なので、これが正解です。

(訳)Toyoda Motorsは低価格でエンジンを供給してくれる業者を見つけましたが、製造費は今も高すぎるままです。

語句:supplier:供給業者 / production cost:製造費

No.3

The new accounting software is designed so simple that —— an inexperienced employee can use it.
(A) even
(B) yet
(C) however
(D) very

解答:(A)
空所後に名詞an inexperienced employeeがあるので、これを修飾できるものを探します。
選択肢は4つともすべて副詞なのですが、(A)evenだけは例外的に名詞を修飾することができる機能を持っています。
したがって、(A)even「~でさえ」が正解です。

(訳)その新しい会計ソフトはとてもシンプルに設計されているため、経験がほとんどない社員でさえ使うことができます。

語句:accounting:会計 / design:~を設計する / inexperienced:経験の少ない

No.4

Jack Johnson’s new book, Fact Versus Fiction, is said to be his best —— and will gain new readers worldwide.
(A) even
(B) still
(C) just
(D) yet

解答:(D)
空所前に最上級があるので、それを強調できる(D)yetが正解です。
(A)even や(B)still は、比較級を強調するものです。

(訳)Jack Johnsonの新しい小説であるFact Versus Fictionは、彼のこれまでで最高のものと言われており、世界中で新しい読者を獲得することでしょう。

語句:gain:~を得る / worldwide:世界中で

No.5

The manager told Ms. Bernal that she should do her best —— if the task seemed difficult.
(A) so
(B) even
(C) just
(D) nor

解答:(B)
空所後に接続詞ifがあるので、これを強調できる(B)evenが正解です。
even if~「たとえ~であっても」という意味になるので、この形で覚えてしまうのが良いです。

(訳)マネージャーは、たとえその任務が難しく思えたとしても、ベストを尽くすべきであるとBernal氏に伝えました。

語句:do one’s best:ベストを尽くす / seem+形容詞:~に思える

5.おわりに

練習問題はいかがでしたか。

誰もが見たことのあるeven, still, yetという単語ですが、意外と知らなかった使い方があったかもしれません。

今回はTOEICに出るポイントを扱いましたので、テストで見かけたときに意味がつかめるようになっているといいですね。

それでは最後までご覧いただき、ありがとうございました。

みなさんがTOEICで目標スコアを達成されることを願っております。