TOEIC500点への英文法
ご覧いただき、ありがとうございます。TOEIC対策のリノキア英語スクールです。
今回のトピックは、「betweenとamongの違い」についてです。
どちらも「~の間で」と訳されることが多いため、学習者からすると「何が違うの?」と疑問になりがちです。実際、レッスンで解説する場面が頻繁にあります。
between と among には大きな違いがある
この記事では、そんなbetweenとamongについて、TOEICで重要となるところをピンポイントで解説していき、最後にパート5形式の練習問題で理解度をチェックしていきます。
もちろん最初に練習問題を解いてしまっても大丈夫ですので、お気軽にご利用ください。
TOEIC500点の必須事項を身につけましょう。それではスタートしていきます。
betweenの基本知識
betweenは2つあるものが対象
おそらくTOEICに向けて勉強している方のほとんどがご存じでしょうが、betweenは次のような定型フレーズで使われることが多いです。
between A and 「AとBの間に」
TOEICでも、問題として出てくるbetweenは、この知識を試すものがほとんどです。しかしながら、あまりにも定番になりすぎたせいか、最近はめっきり見なくなりました。
問題としては出なくても、読解問題の本文には依然として出てきます。A and Bとあるくらいですから、betweenは「2つの間」を指すための単語なのです。
もう1つ、上記とは違った使われた方も大事なので押さえておきましょう。
between+複数形「~と~の間に」
TOEICに出題される頻度は低いかもしれませんが、絶対に知っておきたい用法です。
例文でもチェックしてみましょう。
We have 5 minutes between classes.
(授業と授業の間に5分あります)
もし ”between a class and a class” と言わなきゃいけないルールがあったとしたら非常に面倒くさいですよね。複数形の名詞が置けることで、スッキリしたフレーズが作れるわけです。
between+複数形は知らなかったという方は意外と多いので、ぜひ覚えておいてくださいね!
amongの重要ポイント
amongは3つ以上あるものが対象
ここがbetweenとの最大の違いです。両方とも「~の間で」という訳ですが、その内訳が違っているのですね。among+複数形で使われるのが基本です。
例文でチェックしてみましょう。
Alice is very popular among male students.
(アリスは男子生徒の間ですごく人気だ)
このような文になると、male studentsは「3人以上いる」という前提ができます。男子生徒をグループ化してまとめているイメージですね。
もう1つ、TOEICにおいて大事なamongの用法は、「倒置文が作れる」ことです。
amongは倒置文を作れる
倒置文とは、語順がひっくりかえった文のことです。ひっくりかえると疑問文の語順になるという点が、倒置のポイントとなります。
例文で見たほうが早いので、確認してみましょう。
【通常文】Alice was among the guests at the party.
(アリスは、パーティーのゲストの中にいた)
【倒置文】Among the guests at the party was Alice.
(パーティーのゲストの中にいたのは、アリスだった)
まず倒置文では、必ずAmongが文頭に来ます。そしてAmong+複数形のカタマリが終わってから、疑問文の語順が始まるのです。
倒置文では、疑問文の語順にしなければいけないルールがあります。
倒置については別記事がありますので、こちらもご参照ください。
すこし紛らわしくなるかもしれませんが、倒置が起きないときとの違いも理解しておきたいので紹介します。ご自分で英語を使っていきたい方は、ぜひご覧ください。
Alice is very popular among male students.
↓
Among male students, Alice is very popular.
この文の”among male students”というカタマリは、文にあってもなくても大丈夫な「副詞」の役割を果たしています。こうした役割のamong~を文頭に持ってきても、倒置は起こりません。副詞は「修飾語」だからです。
【倒置が起こる】Alice was among the guests at the party.
※ “among the guests at the party”がないと、Alice is. という変な文になっていまう。
【倒置が起こらない】Alice is very popular among male students.
※ ”among male students” がなくても、Alice is popular. で文が成立する。
「修飾語」はあってもなくても良い飾りのパーツなので、場所が変わっても影響はありません。
amongを正しく使うためにも、ここまで覚えておいてくださいね!
TOEIC形式 練習問題
最後にTOEICのパート5形式の練習問題を解いて、理解度をチェックしてみましょう。betweenとamongに限定しているわけではないので、本番の問題を解くつもりで取り掛かってみてください。
問題は全部で5問です。
時間は、75秒(1問あたり15秒)を目安に解いてみてください。
それでは始めます。
問題(全5問)
Ms. Brennel’s main duty is to improve the relationship —— salespeople and their managers.
(A) so
(B) between
(C) despite
(D) onto
—— a number of favorable features of the new Web site, Mr. Felena particularly liked its selection of pictures.
(A) Among
(B) During
(C) While
(D) Until
Rates for rooms at Sheldon Hotel range from $100 —— $500 depending on the time of year.
(A) to
(B) and
(C) between
(D) for
Camwood Home Supplies will accept applications for sales representatives —— April 30.
(A) through
(B) among
(C) once
(D) while
Even though Mr. Conrad and Mr. Paine are rivals, there seems to be a positive atmosphere —— them.
(A) for
(B) besides
(C) between
(D) despite
解答と解説
Ms. Brennel’s main duty is to improve the relationship —— salespeople and their managers.
(A) so
(B) between
(C) despite
(D) onto
解答:(B)
まさにbetween A and Bが完成するので、(B)が正解です。
厳密に考えると、salespeopleは2人以上いますし、managersも2人以上いますから、登場人物としては4人以上になります。それでもbetweenが使えるのは、「間」が1つだけだからです。
この図を見てみてください
betweenが使われると、このように販売員と管理者との間が2極化します。ですからこの問題文では、お互いがグループ化しているのだと読み取れます。
一方、amongによって表される関係性はちょっと違います。amongは「間」が2つ以上になるため、下の図のようになります。
グループが1つにまとまった代わりに、内部での関係性が多くなっていますね。(ちなみにamong A and Bという言い方はしませんので、この問題の選択肢にamongがあったとしても、それは入りません)
(訳)Brennel氏の主な職務は、販売員と彼らの部長との間の関係を向上させることです。
語句:duty:職務 / improve:~を向上させる
—— a number of favorable features of the new Web site, Mr. Felena particularly liked its selection of pictures.
(A) Among
(B) During
(C) While
(D) Until
解答:(A)
文脈から、「~の間で」という意味がふさわしいので(A)amongが正解となります。ここでのAmong~は副詞句なので、倒置は起こりません。
(B)duringや(C)whileは、期間的な「~間で」という意味なので、ここには入りません。
(訳)新しいウェブサイトのいくつもの好ましい特徴の中で、Felena氏はとくに写真の選択が気に入りました。
語句:a number of:いくつもの~ / favorable:好ましい / feature:特徴 / particularly:特に
Rates for rooms at Sheldon Hotel range from $100 —— $500 depending on the time of year.
(A) to
(B) and
(C) between
(D) for
解答:(A)
from A to B「AからBまで」というフレーズが完成するので、(A)が正解です。このままの形で覚えておけば、迷わずに解けます。
(訳)Sheldon Hotelの部屋の料金は、一年のうちの時期次第で100から500ドルの間になります。
語句:rate:料金 / range from A to B:AからBに及ぶ / depending:~次第で
Camwood Home Supplies will accept applications for sales representatives —— April 30.
(A) through
(B) among
(C) once
(D) while
解答:(A)
空所後に名詞があるので、前置詞が入ることになります。選択肢のうち、(C)と(D)は接続詞なので除外できます。残った2つですが、意味で考えて(A)through「~までずっと」が文脈に合うので、こちらが正解です。
(訳)Camwood Home Suppliesは、4月30日まで販売員の応募を受け付けます。
語句:accept:~を受け付ける / application:応募 / representative:担当者
Even though Mr. Conrad and Mr. Paine are rivals, there seems to be a positive atmosphere —— them.
(A) for
(B) besides
(C) between
(D) despite
解答:(C)
前置詞の問題です。文脈から「~の間に」という意味の前置詞がぴったりなので、(C)betweenが正解となります。
(B)besidesは「~に加えて」、(D)despiteは「~にもかかわらず」という意味の頻出単語ですので、絶対に覚えておきたいところです。
(訳)Conrad氏とPaine氏はライバル関係だが、二人の間には良い雰囲気があるように見える。
語句:even though:~だけれども / atmosphere:雰囲気
おわりに
練習問題はどうでしたか。
betweenとamongは、ダミーの選択肢としても多用されますので、文意に合わないときはきちんと消去しましょう。
amongの倒置は、問題としてではなく、読解問題の本文中に使われることのほうが多いです。とくに記事問題のようなフォーマルな文書でよく見かける印象があります。
倒置が出てくるような文書はレベルが高いため、TOEIC500点~600点の方にとっては「解かなくても問題ない」ものに入ることが多いです。残り時間や、残り問題数を考えながら、解くべきかどうかの正しい選択をすることが必要とされます。
そうした「テスト勘」は、問題を解かなければ身に付きませんから、適度に新しい問題を解くようにもしていきましょう。
それでは今回の記事は以上となります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
みなさんがTOEICで目標スコアを達成されることを願っております。