nearとnearbyの違い
ご覧いただき、ありがとうございます。TOEIC対策のリノキア英語スクールです。
今回は、似ているけれども違う2つの単語、nearとnearbyについてです。
どちらも英文で読んでいるときには気にならないかもしれませんが、いざ自分で使ってみるとなると、「どう違うの?」という疑問が湧いています。
「英語を使いこなす」を合言葉に、この2つの単語をしっかり勉強していきましょう。
1. 前置詞として使えるかどうか
まず、それぞれの品詞から見ていきましょう。
near-形容詞・副詞・前置詞
nearby-形容詞・副詞
nearだけは「前置詞」としても機能することができます。
near+名詞で「~の近くで・近くに」という意味が作れるわけです。
I put the package near the door.
(私はドアの近くに小包を置いた)
My house is near the station.
(私の家は駅の近くにあります)
一方、nearbyでは同じことができません。
I put the package nearby the door.
My house is nearby the station.
nearbyは前置詞でないので、このような使い方は誤りです。
前置詞として使えるかどうかが、大きな違いの1つです
2. 形容詞で使う際の注意点
距離的に近い、時間的に近いの区別も重要なポイントです。
near-時間的な近さを表す
nearby-距離的な近さを表す
これも大きな違いの1つです。
形容詞+名詞で使うときの違いなので、そこも気を付けてください。
例文でも確認しましょう。
<時間的な近さ>
Her dream will come true in the near future.
(近い将来、彼女の夢は実現するだろう)
nearが形容詞として名詞futureを修飾しています。
このように形容詞のnearは、「時間的な近さ」を表すときに使われます。
一方、nearbyは時間的に近いことを表せません。
× Her dream will come true in the nearby future.
※nearbyは、時間的な近さを表現できません。
続いては「距離」について見ていきましょう。
<距離的な近さ>
I visited some nearby shops to buy meat and vegetables.
(私は近くのお店に寄って、肉や野菜を買いました)
nearbyは「距離的な近さ」を表すときに使われます。
一方、nearを同じように使うことはできません。
× I visited some near shops to buy meat and vegetables.
※nearは、距離的な近さを表現できません。
形容詞+名詞で用いるときには意味の違いに注意!
3. 形容詞nearの例外
形容詞+名詞でのnearは距離的な近さを表せないと説明しましたが、例外があります。
正しく使い分けるためにも、例外までしっかり押さえておきましょう。
3-1. ある条件下では、形容詞nearが距離的な近さを表す
その条件とは、「近いものと遠いものを比較しているとき」です。
例文をご覧ください。
The near side of the pool is not so deep, but the far side may be dangerous for small kids.
(プールの手前側はそこまで深くないですが、奥側は小さな子供には危険かもしれません)
このように、手前側と奥側を比べるようなときは、形容詞nearを使って距離的な近さを表せます。
3-2. 最上級にすると、形容詞のnearは距離を表せる
もう1つ、形容詞のnearが「距離的な近さ」について表せるのが、最上級になっているときです。
I walked to the nearest station.
(私は最寄りの駅まで歩いた)
このように最上級になっているときは、距離的な近さを表せます。
原級だと、この使い方ができないので気を付けてください。
4. 副詞でも少し違いがある
near, nearbyともに「副詞」としても使えます。
そこにはちょっとだけ違いがあるので、以下にまとめます。
near-時間的・距離的な近さも表せる
nearby-距離的な近さだけ表せる
まずは副詞のnearから、例文でチェックしていきましょう。
1. Summer is drawing near.
(夏がだんだんと近づいている)
2. I was standing near enough to hear what they were talking.
(彼らの話していることが聞こえるくらいの近いところで私は立っていました)
1文目は「時間的な近さ」、2文目は「距離的な近さ」を表しています。
ちなみに“draw near”で「だんだんと近づく」という成句になります。
nearが時間的な近さを表すときに、よく目にするイディオムです。
続いて、副詞のnearbyです。
I have five children but none of them live nearby.
(私には5人の子供がいますが、誰も近くに住んでいません)
I noticed my teacher standing nearby.
(先生が近くに立っているのに気づきました)
副詞のnearbyは「距離的な近さ」しか表しません。
nearbyは例外がない単語なので、原則を知ってしまえば安心して使えます。
おわりに
同じ「近い」でも、nearとnearbyには様々な違いがあります。
スペルは似ていますが、まったく別の単語だということが分かりますね。
最初は「あれ、どっちだっけ?」と迷ったりすると思いますが、徐々に慣れていけば「ここではnearbyか」といちいち考えることなく、自然と使えるようになります。
感覚で落とし込むことが重要になる単語なので、フィーリングを鋭くしていきましょう。
それでは最後までご覧いただき、ありがとうございました。