努力する若者はまぶしい
先週は共通テストでした。毎年この時期になると、自分が受験生だった頃を思い出します。勉強しなきゃいけないと思いつつも、つい楽しいことに気を取られてしまう不真面目な受験生でした。
でもちょうど受験生の年代って、いろいろなことに興味が向かう時期ですよね。好きな芸能人だったりスポーツ選手だったり、流行っているゲームだったり、友達とのおしゃべりだったり、あるいは異性を意識したりと、なかなか勉強1つに集中するのが難しい年頃です。
いろいろな葛藤を抱えながらも勉強に向かう受験生たちは、ちょっとした神聖な生き物みたいに輝いて見えます。スクールの近くの丸善に行くと、参考書コーナーで受験生らしき若者をよく見るのですが、いつも心の中で「頑張れ~」と声をかけてしまいます。やっぱり若者の頑張る姿って心を打つものがありますよね。
受験勉強で培ったものは大きい
受験勉強でやる英語は、かなりハイレベルです。高校生にここまで勉強させるのか……と脱帽してしまうくらい深く、細かいところまで勉強します。僕はTOEIC満点をや英検1級を持っていて、さらに洋書を日常的に読むのですが、それでも受験英語のテキストを見てみると、そのレベルの高さに驚きますからね。本当に大したもんです。
ただ、思い返せば僕も同じような道を通ってきたのです。受験生だった頃は、『速読英単語』や『英頻』、『ネクステ』といったテキストで日々英語と格闘していました。さらに学校で配られた『英語の構文150』などというものをひたすら筆写する課題をこなし、難関大学やセンター試験の過去問で長文読解をしました。
当時は英語が得意で、偏差値もけっこうよかったのですが、今の自分から見れば、その英語力は非常に乏しいものでした。長文問題なんて20~30%しか理解できていなかったと思います。僕は予備校とかに通っていなかったので独学で英語をやっており、そのせいできちんとした読解法を知らないまま我流で英語を読んでいました。単語と文法だけ知っていれば読めると思い込んでいたのです。もちろん精読をしなければ英文を読めるようにはならないのですが……。おかげで第一志望の上智大学には入れませんでした。
ただ、受験勉強で身につけた単語力・文法力は、その後TOEICを受けるときに大いに役立ちました。
大学1年生の夏休みから英語学習をスタート
青山学院大学に入学した僕は、最初の3ヵ月くらいは大学生活をそれなりに楽しみました。でも夏休みを迎えるころには、何となく虚しさを感じるようになったのです。必死で勉強していた受験生時代と比べると、大学生活は実にぬるかった。
そもそも英語を勉強するために大学に入ったのに、その肝心の英語力が伸びている実感がまったくありませんでした。それもそのはず、授業を受けているだけで英語力が上がるわけがないのです。そのくらい大学の授業はゆるかった。周りにも勉強している人はいませんでした。
このままでは何も達成できないまま大学生活が終わってしまうのではないか。
僕はそう感じて、夏休みに入ったあたりから英語の勉強をスタートしました。そして、本で読んで知ったTOEICというテストを目標に定めたのです。これがTOEICとの最初の出会いでした。
TOEICについては何も知らなかったので、とりあえず本屋さんでテキストを買うところから始めました。公式問題集、単語集、文法問題集をそろえ、直近で受験できる9月のTOEIC公開テストに申し込みました。
気分は受験生です。志望校を目指して燃えていた頃の自分を取り戻すかのように英語学習に励みました。最初のうちは1時間もやると飽きてしまったのですが、根気よく続けていると自分の足りないところが目につくようになり、それを克服しようと勉強を続けるうちに、1日3時間くらい平気でできるようになったのです。
昨日できなかったことが、今日はできるようになっている。そんな進歩を日々感じることができて、僕は英語学習にのめり込んでいきました。
その2へ続く