TOEIC700点への英文法
TOEIC対策のリノキア英語スクールです。
今回は「前置詞+抽象名詞」についてです。
次のような英文を見たことがあるでしょうか。
They sell products of high quality.
この英文で使われている文法は、TOEICでもたまに見かけるもので、長文を精読した生徒さんからも、「これは何なんですか?」と質問を受けることが多いです。
わからないポイントは皆さん決まっており、high qualityの前にある”of”は何なのか、という点です。
この記事では、TOEICなどのテストで見かけた際に、意味が取れるようになることをゴールとするため、それに必要な仕組みとパターンを紹介していきます。
ポイントさえ分かれば、すぐに実戦で理解できるようになりますので、さっそく、前提から見ていきましょう。
抽象名詞とは
タイトルにもありますが、今回は抽象名詞というものがポイントになります。
抽象名詞とは、簡単に説明すれば「実体のない名詞」のことです。
実体がないため、私たちが頭で認識することによってしか存在できないのです。
抽象名詞には、いくつかカテゴリーがあるので、例とともに見てみましょう。
1.概念など
- knowledge(知識)
- liberty(自由)
- trust(信頼)
- information(情報)
- idea(考え)
2.状態や性質
- beauty(美しさ)
- pain(痛み)
- success(成功)
- honesty(正直)
- courage(勇気)
- kindness(優しさ)
3.感情
- love(愛情)
- hate(嫌悪)
- anger(怒り)
- sadness(悲しみ)
- joy(楽しみ)
- pleasure(喜び)
4.行為と出来事
- progress(進歩)
- leisure(余暇)
- trouble(トラブル)
- birthday(誕生日)
- death(死)
- childhood(子供時代)
上記はカテゴリー分けの一例です。
文法書によって細かな分類は変わってきますが、大筋ではこんなところです。
重要なのは、抽象名詞は五感で認識できない(触れられない、見られない、嗅げない、味わえない、聴けない)という点です。※ちなみに、五感で認識できるものは「具象名詞」と呼ばれます。
前置詞+抽象名詞のパターン
ここからは、実際の例となっていきます。
パターンと結論を覚えて、身につけてしまいましょう。
パターン1 ― 【of + 抽象名詞】
このパターンは、「形容詞として機能する」のがポイントです。
They sell products of high quality.
この文では、「of + quality(抽象名詞)」が登場しています。
意味としては「品質がある」という意味になり、「形容詞」の意味合いを持ちます。
したがって、“of high quality” は、名詞productsを修飾しているのです。
もちろん、普通の形容詞でも書き換えが可能です。
書き換えると、They sell quality products. です。
qualityという同じ形で名詞と形容詞2つの意味があるので、ちょっとわかりにくかったかもしれません。
別の例も見ていきましょう。
His suggestions are of great importance.
=His suggestions are very important.
上の文では、”of great importance”が、名詞suggestionsと結びついています。
下の文では、形容詞importantが、名詞suggestionsと結びついています。
このように違った形でも、表現していることは同じなのです。
(強調のために使われているgreatは、veryに置き換わっています)
This software is of great use.(そのソフトは役に立つ)
=This software is very useful.
His advice will be of great value.(彼の助言は貴重になるだろう)
= His advice will be very valuable.
The diagram on page 3 was of help.(3ページの図が役に立つ)
= The diagram on page 3 was helpful.
頻出なのは、こんなところです。
まとめておきましょう。
of + 抽象名詞は”形容詞”になる
- of importance = important
- of use = useful
- of value = valuable
- of help = helpful
- of high quality = quality
パターン2 ―【with + 抽象名詞】
このパターンは、「副詞として機能する」のがポイントです。
さっそく、例文とその書き換えを見ていきましょう。
He got the big contract with ease.(彼はその大きな契約を簡単に取った)
= He got the big contract easily.
このように、with + 抽象名詞は、副詞として働くのです。
He tried to deal with the problem with care.
= He tried to deal with the problem carefully.
Mr. Han told the story with fluency.(Han氏は流暢にその話をした)
= Mr. Han told the story fluently.
TOEICで見かけるのは例⑥,⑦ですね。
例⑧は個人的に見たことがあったので、紹介してみました。
以下にまとめておきましょう。
with + 抽象名詞は”副詞”になる
- with ease = easily
- with care = carefully
- with fluency = fluently
おわりに
今回は「前置詞+抽象名詞」の、もっとも基礎のところを紹介しました。
TOEICレベルだと、今回のパターンがわかっていれば大丈夫です。
大学受験やTOEFL、IELTS、英検準1級・1級のようなレベルになってくると、もうすこし多くのパターンを知っておく必要があります。
今回はTOEICがターゲットなので、基本事項のまとめにしました。
紹介したい例文が見つかったら追加していきます。
それでは、今回もありがとうございました。
楽しい英語学習を!